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夕暮れの東京、自宅の机でスマホに入力するジェイ・ベルガラのイラスト。ノートPCの画面にはヘルメスの象徴である翼のついたサンダル
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Hermes Agentとは?いちばんわかりやすい解説

Jay Vergara 11分で読める

  • Hermes Agent
  • AIエージェント
  • Nous Research
  • セルフホスト
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今月は猫も杓子もHermes Agentをインストールしています。ところが、解説動画の多くは「AIエージェントとは何か」をすでに知っている前提で話が進みます。そこで、わかりやすい言葉だけで説明する動画を作りました。チュートリアルを見ている人の多くにとって、「今使うべき?」への私の答えは「まだ早い」です。それを確かめるために週末をまるごと使ってしまう人も多いはずです。ただ、私にとっては、これまで触ってきたものの中でいちばん強力なツールです。

動画はYouTubeにあります。この記事はその文章版です。

Hermes Agentとは?

Hermes Agentは、AI研究機関のNous Researchが作ったオープンソースのAIエージェントです。AIエージェントとは、チャット画面で答えるだけでなく、コマンドを実行したり、ファイルを読んだり、メッセージを送ったりと、実際に作業をしてくれるAIのことです。

Hermesが変わっているのは、住んでいる場所です。他社のクラウドではなく、自分のパソコンやサーバーの上で動きます。私のHermesはMacBook Airに住んでいて、裏で黙々と仕事をこなしています。コードはGitHubでMITライセンスのもと無料で公開されていて、公式ドキュメントはhermes-agent.nousresearch.comにあります。

全体の仕組みを1枚にまとめると、こうなります。

Hermes Agentの仕組みの図。スマホ(Telegram)やターミナルから直接、またはSlack、Discord、メールからひとつの窓口を通ってHermes Agentに届く。Hermes Agentは自分のマシンの上であなたの記憶と自分で書くスキルを持ち、OpenRouter経由のクラウドのAIモデルかローカルモデルを呼び出す Hermes Agentの仕組みを上から下に描いた図。スマホ(Telegram)やターミナルから直接、またはSlack、Discord、メールからひとつの窓口を通ってHermes Agentに届く。Hermes Agentは自分のマシンの上であなたの記憶と自分で書くスキルを持ち、OpenRouter経由のクラウドのAIモデルかローカルモデルを呼び出す

自分のマシンで動く1つのエージェントに、入口がたくさん。AIモデルは好きなものにつなげます。

ChatGPTやClaudeとの違い

ウェブ版のChatGPTやClaudeと比べると、違いは4つあります。

項目ウェブ版のChatGPT・ClaudeHermes Agent
記憶自分でメモリーを設定しない限り毎回ゼロから最初からあなたを覚えている
スキル自分で書く自分で書いて、改良していく
入口専用アプリTelegram、Slack、Discord、メール、ターミナル
実行場所他社のクラウド自分のパソコンやサーバー

最初からあなたを覚えている

ChatGPTを閉じて翌日開くと、自分でメモリー機能を設定していない限り、あなたが誰なのかまったく覚えていません。Claudeでも同じことはできますが、自分で仕組みを作る必要があります(私の作り方はこちら)。Hermesは最初から覚えています。会話のたびに前回の続きを積み上げていき、数週間たつと、あなたの書き方、進めているプロジェクト、どんな依頼がいつも通りで、どんな依頼が珍しいのか、といった「あなたのモデル」ができあがっていきます。

スキルファイルを自分で書く

ここがいちばん好きなところです。スキルファイルとは、ある1つの仕事のやり方をAIに教える、プレーンテキストの手順書です。Hermesは問題の解き方がわかると、その解決策をスキルファイルとして書き留めて保存します。次に似た問題が出てきたら、そのスキルを取り出して、ゼロからではなく前回学んだところから始めます。動画では、こんなふうに話しました。

Hermesはスキルファイルを自分で作ってくれて、しかも勝手に進化していきます。これは本当にすごいことです。

ジェイ・ベルガラ(動画より)

私はClaudeのスキルファイルを書く話をこれまで何度もしてきました。AIアドバイザー会議も、そのスキルファイルでできています。Hermesはそれを自分で書いてくれて、使いながら改良もしていきます。今でもすごいと思います。ファイルはオープンなAgent Skillsの形式に沿っているので、Hermesの中に閉じ込められることもありません。

いつもの場所に来てくれる

Hermesは、Slack、Discord、メール、ターミナルに同時にいられます。1つのエージェントに、話しかける入口がたくさんあるイメージです。私はパソコンの前ではターミナルで話し、スマホではTelegramを使っています。東京の電車の中でちょっとバイブコーディングしたいときや、ファイルを開きたいとき、Notionの中を調べたいときは、Telegramでメッセージを送ります。ほかの多くのツールは専用アプリを通す必要がありますが、Hermesのほうがあなたのいる場所に来てくれます。

Hermes Agentについて話すジェイ・ベルガラと、画面の一覧「One agent, many surfaces」(Slack、Discord、メール、ターミナル)

動画より:1つのHermes Agentに、Slack、Discord、メール、ターミナルから話しかけられます。

OpenClaw、Claude Code、ChatGPTとの比較

Hermesのいちばん直接的なライバルは、同じくオープンソースのエージェントであるOpenClawです。定義を少し広げれば、Claude Code(パソコンの中のファイルを直接扱うAnthropicのエージェント)や、以前はOperatorと呼ばれていたChatGPTのエージェントモードとも競合します。

大きな違いは、Hermesがオープンソースで、自分のハードウェアで動かせることです。AIモデルも手元で動かせば、たとえば高性能なパソコンでDeepSeekやQwenのモデルを動かせば、理論上はデータが社外に出ることはありません。機密データを扱う人や、人事や医療など、ベンダーに何が送られるかに敏感な分野で試してみる勇気がある人にとっては、ここが大事なポイントです。どこにいても一緒にいてくれるエージェントが、プライベートなマシンの上で動いている。これには本当に驚きました。

Hermes Agentの動画で、ローカルで動かす意味がある場面(機密性の高い社内データ、人事の業務、医療データ、ベンダーに見せたくないもの)の一覧を示すジェイ・ベルガラ

動画より:エージェントを自分のマシンで動かす意味がいちばん大きい仕事の例(機密データ、人事、医療など)。

トレードオフ

うまい話ばかりではありません。

  • 常に電源が入ったマシンが必要です。 自分でホストするので、私のMacBook Airは今ではほぼHermes専用機です。
  • アップデートは自分の仕事です。 パッチを当て続ける必要があります。
  • 最初のインストールには数時間かかります。 それなりに手間がかかると思っておいてください。
  • 動かすのは無料ではありません。 費用は後で説明します。
  • 自分で勝手に動きます。 つまり、やってほしくないことをする可能性もあります。本格的な権限を渡す前に、境界線を決めておきましょう。Hermesにもある程度の仕組みは入っています。セキュリティのドキュメントによると、危険なコマンドは実行前に確認を求め、承認していない相手からのメッセージは受け付けません。

私が使っているハードウェアとモデル

私のMacBook Airは家に転がっていて使っていなかったものですが、私の用途には十分です。HermesはOpenRouter(1つのアカウントでたくさんのAIモデルを使えるサービス)につないでいて、DeepSeekでもAnthropicでも、その仕事に合ったモデルを選んでくれます。

これから試すなら、同じやり方をおすすめします。ユニファイドメモリ128GBのMac Miniを買う必要はありません。この記事を読んでいる人なら、まず要らないはずです。手元にある古いノートパソコンを使いましょう。

動かし始めてからの費用は、どのモデルにつなぐかで決まります。ClaudeやChatGPTにAPI経由でつなぐと、リクエストごとに料金がかかるので、使えば使うほど請求額が増えます。QwenやDeepSeekのようなモデルを手元で動かせばその料金はかかりませんが、相当なハードウェアが必要で、それに耐えられるMac Miniは6,000ドルほどします。

今すぐHermes Agentを使うべき人

まず、会社のセキュリティルールを確認してください。自分で動くオープンソースのエージェントにはリスクがあり、許可していない会社も多いはずです。許可されているなら、今いちばん恩恵を受けられるのは次の3タイプです。

  • 人材開発(L&D)の担当者。 私のバックグラウンドもここです。会社の規程を一度覚えたら二度と忘れないアシスタントが欲しい人には向いています。メモリーとスキルが何か月もかけて積み上がっていくところが、Hermesの強みです。
  • 毎週月曜にChatGPTやClaudeでゼロからやり直すのに疲れたコンサルタント。 自分の経歴やクライアント一覧、文章の好みを新しいチャットに貼り付けるのがもう100回目、という人なら、Hermesがその手間をなくしてくれます。
  • メール、Slack、CRMを1つのエージェントにまとめて任せたい小規模事業者。 7つの自動化をガムテープでつなぎ合わせる代わりに使えます。3つの中では、これがいちばん現実的だと思います。

待ったほうがいい人

この3タイプに当てはまらないなら、たぶん少し早いです。Hermesの動向は追いかけつつ、今はClaudeやChatGPTを使い続けて、数か月後にまた見てみてください。AIの世界では、「早すぎる」が数か月で終わることもあります。

Hermes Agentについてのよくある質問

Hermes Agentは無料ですか? ソフトウェア自体は無料のオープンソース(MITライセンス)です。ただし動かすには、常時起動のマシンが必要で、AIモデルを手元で動かさない限りモデルの利用料もかかります。

スマホからHermes Agentを使えますか? 使えます。1つのゲートウェイで、Telegram、WhatsApp、Slack、Discord、Signal、メールなどにつながります。私はTelegramを使っています。

Hermes Agentには高性能なパソコンが必要ですか? AIモデルも同じマシンで動かしたい場合だけです。OpenRouterやAPI経由でクラウドのモデルを使うなら、古いノートパソコンで十分です。

このブリーフをあなたのAIに渡してください

あなたのAIに貼り付けて、判断を手伝ってもらいましょう。

Nous ResearchのオープンソースAIエージェント、Hermes Agentを解説したこの記事を読みました。
https://leadhuman.ai/ja/build/what-is-hermes-agent

ウェブを閲覧できるなら、まずこの記事と、公式ドキュメント https://hermes-agent.nousresearch.com/docs/ を読んでください(開けなければ、そのまま進めてください)。その上で、私が今Hermesを使うべきか、待つべきかを一緒に考えてください。

ステップ1: 私がHermesに何をさせたいのか、どんな端末を持っているか、仕事に使うつもりか、会社のセキュリティルールで自前ホストのAIエージェントが許可されているかを質問してください。まだ何もおすすめしないでください。

ステップ2: 私が「今すぐ使う」グループと「数か月待つ」グループのどちらに入るのか、理由と一緒にはっきり教えてください。

ステップ3: 使うべきなら、手元にある予備のノートパソコンと、OpenRouter経由のクラウドモデルで最初のインストール計画を立ててください。必要なもの、私の使い方での月額費用の目安、そして最初に固めるべき設定をすべて挙げてください。設定には少なくとも次を含めてください:危険なコマンドは承認制にすること、メッセージを送れるのは私自身のアカウントだけにすること、会社が書面でOKを出していない限り、仕事のアカウントや社内データにはアクセスさせないこと。

答えが「待つ」なら、週末をひとつ取り戻せたことになります。

ほかの動画もYouTubeで公開しています(英語)。

出典

  1. Jay Vergara, Hermes Agent is legit GAME CHANGING AI...but should you use it? (YouTube)
  2. Nous Research, Hermes Agent repository (GitHub, MIT license)
  3. Hermes Agent documentation
  4. Hermes Agent docs, Memory
  5. Hermes Agent docs, Skills
  6. Hermes Agent docs, Messaging gateway
  7. Hermes Agent docs, Security
  8. Agent Skills, the open skills file format

Jay Vergara(ジェイ・ベルガラ)は東京在住。AIでものを作り、学んだことをleadhuman.ai、YouTube、LinkedInで発信しています。キャリアの大半は人材開発(L&D)と研修の分野です。

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