曖昧な研修依頼をClaudeで測定可能な学習目標に変える
Slackにこんなメッセージが届きます。「マネージャー向けにフィードバックについて何か作ってもらえませんか。本当に必要としているので」。フォローアップも詳細もなく、実際の問題が何なのかの手がかりもありません。L&D担当者はドキュメントを開いて、すぐに推測を始めることになります。
私はこの会話の両側にいたことがあります。ステークホルダーとしてこのメッセージを書いたこともあれば、L&D担当者として確認の質問を2時間かけて書いて、答えを3日待ったこともあります。このループはどちら側も遅いのです。
まさにこの瞬間のために保存してあるClaudeプロンプトがあります。推測フェーズから30秒ほどで抜け出させてくれます。
何を作るのか
どんな曖昧な研修依頼でも、3つから5つのSMARTな学習目標に変えてくれるプロンプトです。それぞれに適切なブルームのタキソノミーのレベルと、アセスメント案が1つ付きます。一度保存しておいて、依頼が届くたびに貼り付ける。この学習目標が、その後に続く設計の会話の背骨になります。
なぜ重要か
学習目標は、ほとんどの研修プログラムの勝敗が決まる場所です。アクティビティは目標から導かれ、アセスメントも目標から導かれます。「フィードバックをもっとうまく扱えるようにします」ではなく「このセッションの終わりまでに、マネージャーは3つの職場シナリオでSBIフレームワークを使えるようになります」と言えれば、ステークホルダーとの会話は楽になります。
良い目標を書くことは、世間が思っているより難しい仕事です。ブルームのレベルを知っていて、行動動詞を知っていて、行動を実際に観察できる何かに結びつける方法を知っている必要があります。依頼をしてくるステークホルダーのほとんどはそのどれも知りませんし、L&Dのプロならできますが、依頼はたいてい木曜の16時に届くのです。
Claudeはこれが本当に得意です。機械的な部分は機械の上の方が速く回るので、あなたは本当に考えるべきことに時間を使えるようになります。
作り方
claude.aiでClaudeを開きます。無料アカウントで大丈夫です。この種の構造化された文章では、Sonnetがベースのモデルより目に見えて良い仕事をします。
これを貼り付けます。
あなたは、研修プログラムのための明確で測定可能な学習目標を書くのを
手伝ってくれるインストラクショナルデザイナーです。
ステークホルダーからの依頼:[相手が使った言葉をそのまま貼り付け]
以下をお願いします:
- この依頼に基づいて、SMARTな学習目標を3つから5つ書いてください。
- 各目標について、ブルームのタキソノミーのレベルを特定してください
(記憶、理解、応用、分析、評価、創造)。
- 各目標について、測定可能なアセスメント案を1つ提案してください
(クイズ問題、観察ルーブリック、シナリオ演習など)。
- 依頼が曖昧すぎて良い目標が書けない場合は、先に進む前に確認の
質問を1つしてください。
番号付きリストの形式で。行動動詞を使ってください。学習者の視点から
書いてください。
アウトプットの質を変えるポイントをいくつか。
ステークホルダーのメッセージは生のまま貼り付けてください。先に要約したり整えたりしないこと。あの散らかり具合こそがデータです。相手が「本当に必要としているので」と書いたなら、それも残しましょう。Claudeはトーンも読みます。
最初のパスの後にコンテキストを足しましょう。「対象は日本のビジネスユニットのミドルマネージャーで、間接的なコミュニケーションが標準です」。そのうえでClaudeに修正を頼みます。この2回目のパスで、目標があなたの実際の受講者にフィットし始めます。
プロンプトは、また見つけられる場所に保存しておきましょう。私のものは「実際に使っているプロンプト」というタイトルのNotionドキュメントに入っています。次回は2時間ではなく2分で済む、というのがすべてのポイントなのですから。
実際の例
貼り付けたインプットは「うちのマネージャーはフィードバックがもっとうまくならないといけない」。
Claudeはこう返してきました。
1. 参加者は、過去1カ月の中から、構造化されたフィードバックが役立った
はずの場面を2つ特定し、なぜ実行されなかったのかを説明できる。
(ブルーム:理解)
アセスメント:セッション1の前に提出する振り返り課題。
2. 参加者は、3つの職場シナリオに対して、SBIフレームワークを使った
フィードバック文を書ける。
(ブルーム:応用)
アセスメント:共通のルーブリックで採点するシナリオ回答。
3. 参加者は、録画されたフィードバックのやり取りを評価し、SBIの基準を
使って何が効果的だったかを特定できる。
(ブルーム:評価)
アセスメント:注釈付きの書き起こしを使った小グループでの振り返り。
4. 参加者は、直属の部下1人のためのフィードバック計画を設計できる。
計画には、今後30日間でSBIを使う具体的な場面を2つ含める。
(ブルーム:創造)
アセスメント:最終セッションでの計画の相互レビュー。
これで、次のステークホルダーとの会話のためのアンカーが4つ手に入りました。これを渡して「この中でどれが一番大事か教えてください」と言えば、突然、推測ではなく具体的な何かを設計している状態になります。
うまくいかないケース
Claudeは、あなたが伝えない限り、あなたの組織文化も過去のプログラムも社内用語も知りません。磨き上げた要約よりも、生の引用の方が役に立ちます。
コンプライアンス研修には、今でも人間の専門家が必要です。ここでの目標は出発点であって、法的な承認ではありません。
ブルームのレベルはあくまで推奨です。受講者のことを知っているのはあなたです。必要に応じて上下に動かしてください。
次にやること
完成した学習目標をClaudeに渡して、それぞれに対応した90分のワークショップのアジェンダを下書きしてもらいましょう。それで、あなたの1日の次の30分が浮きます。
出典:
- Anderson and Krathwohl’s revised Bloom’s Taxonomy, 現代のインストラクショナルデザイナーの多くが使っている改訂版。
- SMART criteria, Doran 1981, 測定可能な目標という考え方の元になったフレーミング。
- Claude, このチュートリアルで使用したAnthropicのチャットボット。
leadhuman.aiのBuild with AIシリーズの一部です。
Jay Vergara is an L&D strategist and cross-cultural communication specialist based in Tokyo. He is a partner at Peak Potential Consulting and writes about leadership, learning, and building with AI at leadhuman.ai and on LinkedIn.
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